気がつくと。。。。。
一点の光も通さない遮蔽された空間に私は身動きの取れない状態で存在していた。
存在している・・・?それさえも疑いたくなるほどの希薄な私。
若干ではあるけれど、自己の存在を感じさせるのは極々限られた動作をしたときに背後に伝わる冷たさ。
次第に体温と同化していくのはきっとそれが熱伝導のいい金属製の台だからかもしれない。
台と想定できるのは拘束された両手の先にある指の先端がそのものの角を掴むような形になり
そのものの大きさは私一人が固定される程度の幅のものでしかないという事。
そして剥き出しと思われるカラダの線に沿って流れる温かな風が
そこは床よりも少し高い場所にあるということを教えてくれる。
微かな空気の流れにさえも敏感に反応しているのは視覚を遮られているからか。
周りの音も曇ったように聴こえるのは聴覚も遮られているからか。
もし骨音さえ感じないような状態ならば私は完全な無を感じているだろう。
もしこの台から伝わる私の体温さえ感じないような状態ならば私は完全な無を感じているだろう。
神経は否が負うにも敏感に研ぎ澄まされていく。
一定の規則で響くのは私の心音。
強弱をつけて響くのは私の呼吸。
時折擦れるような音がするのは私を固定する器具の金具部分があたる音。
私は暫くそれらの音のみを感じていた。
この空間の広さを感じる事が出来たのは微かに聞こえてきた靴音の近づくまでの時間の長さだった。
すぐ傍まで来た靴音がぴたりと止まり何かを探るような音が聞こえた。
鈍く、がさごそと、、、、。そして、、、、ぴしゃりと、、、。
音の持ち主は何かラバーグローブのようなものを手に嵌めたらしい。
しばらくすると私以外の誰かに触れられる感覚が頬を伝ってきた。
微かに接触するそれはゆっくりと首筋を伝って、肩を包み込むように撫でる。
ぞくぞくとする感覚が背中から腰に走ると私は高揚していることを自覚した。
その指はやがて来た道を戻るようにして身体を昇ってくると首筋から耳の側面を這う。
漏れる自分の声と溜まった唾液を飲み込む音。
そんな自分に興奮し、咥えさせられている球体を舌で遊ばせては次を求めていた。
耳の溝にぬらりとした感覚が這う。
私はその感覚を得ると同時に腰を浮かせ内腿を痙攣させてねだる。
「さぁ。。。終わりなき終わりを始めよう。。。。」
軽く咥えられた耳に相手の声が響いてきた。
DS-BLACK-00 The End
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